「経理の仕事に就くには、何か資格が必要?」「簿記2級のほかにも取っておいた方がいい資格はある?」と迷っていませんか。
経理は、特定の資格がなければ働けない仕事ではありません。一方で、未経験から経理を目指す場合や、担当業務を広げてキャリアアップしたい場合は、資格が知識や学習意欲を客観的に伝える材料になります。
この記事では、2026年8月26日時点の公式情報を確認しながら、経理におすすめの資格を7つ紹介します。資格をたくさん取ることを目的にするのではなく、未経験・経験者・キャリアアップという段階ごとに「次に何を優先するべきか」を整理します。
- 経理は資格なしでも働けるのか
- 経理におすすめの資格7つと違い
- 未経験者が最初に優先したい資格
- 経験者のスキルアップに向く資格
- 資格と実務経験のどちらを優先すべきか
未経験から経理を目指すなら、まず日商簿記2級を優先するのが基本です。
すでに経理実務を経験している人はFASS検定やビジネス会計検定で実務力・分析力を補い、大企業の経理や高度な会計・税務を目指す場合は簿記1級や税理士などを検討すると、目的と資格がつながりやすくなります。
経理は資格なしでも働ける|ただし転職では武器になる
経理職そのものに必須資格はありません。求人の応募条件を満たせば、資格を持っていなくても経理として働くことはできます。
ただし未経験者の場合、採用する企業は「会計の基礎を理解しているか」「本当に経理を目指して学んでいるか」を実務経験だけでは判断できません。そこで、日商簿記などの資格が知識を示す材料になります。
日本商工会議所も日商簿記2級を「企業から最も求められる資格の一つ」と位置づけており、商業簿記・工業簿記や財務諸表を理解し、会計実務を踏まえた処理・分析を行うためのレベルとしています。
- 未経験から経理へ応募するとき
- 担当できる業務の幅を広げたいとき
- 転職・昇進でスキルを客観的に示したいとき


経理におすすめの資格7選|目的と優先度を比較
資格は難易度の高いものから取ればよいわけではありません。自分の経験と目指す仕事に合うものを選ぶことが重要です。
| 資格 | 優先度の目安 | 向いている段階 | 主な目的 |
|---|---|---|---|
| 日商簿記3級 | ○ | 完全未経験 | 会計の基礎を身につける |
| 日商簿記2級 | ◎ | 未経験〜若手 | 経理転職・実務の土台 |
| 日商簿記1級 | △〜○ | 経験者・高度会計 | 大企業・専門会計を深める |
| FASS検定 | ○ | 実務経験者 | 経理・財務の実務力を測る |
| ビジネス会計検定 | ○ | 若手〜経験者 | 財務諸表の分析力を高める |
| MOS Excel | ○ | 未経験〜実務 | Excel操作スキルを示す |
| 税理士 | 目的次第 | 高度専門キャリア | 税務の専門性を高める |
1. 日商簿記3級|完全未経験の入口に向く
日商簿記3級は、基本的な商業簿記を学び、経理関連書類を適切に処理するための基礎レベルです。日本商工会議所は、業種・職種を問わずビジネスパーソンが身につけておくべき基本知識として位置づけています。
経理を目指し始めたばかりで、仕訳や貸借対照表・損益計算書の意味もまだ分からないなら、3級から始めると学習しやすいでしょう。ただし、転職でより強くアピールしたい場合は、その先の2級まで見据えるのがおすすめです。
- 経理・会計を初めて学ぶ
- まず基礎から理解したい
- 2級へ進む前の土台を作りたい
2. 日商簿記2級|未経験転職なら最優先で考えたい
未経験から経理への就職・転職を考えるなら、最も優先しやすいのが日商簿記2級です。商業簿記に加えて工業簿記・原価計算まで学ぶため、3級よりも企業会計への理解を深められます。
資格だけで採用が決まるわけではありませんが、実務経験がない人にとっては「経理を目指して体系的に学んだ」ことを示しやすい資格です。
- 未経験から経理へ転職したい
- 経理求人の選択肢を広げたい
- 会計実務の基礎をしっかり固めたい
3. 日商簿記1級|高度な会計を学びたい人向け
日商簿記1級は、2級よりも高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を扱う上位資格です。大企業の経理、連結会計、会計専門職などを意識する人には学習価値があります。
一方、一般的な未経験経理への転職だけが目的なら、1級合格を待つより、2級取得後に応募を始めて実務経験を積む方が効率的な場合もあります。
- 大企業・上場企業の経理を目指す
- 会計をより専門的に学びたい
- 税理士など難関資格も視野に入れている
4. FASS検定|経理・財務の実務力を測りたい人
FASS検定(経理・財務スキル検定)は、経済産業省が開発したスキルスタンダードを基礎に、経理・財務分野の実務知識・スキルの習得度を測る検定です。
資産・決算・税務・資金の4分野を扱い、合否ではなくA〜Eの5段階で評価されます。簿記が会計知識の土台を学ぶ資格だとすれば、FASSは「実務でどこまで理解できているか」を確認したい人と相性が良い資格です。
- すでに経理・財務の実務を経験している
- 自分の弱い業務分野を把握したい
- 実務知識を客観的に示したい
5. ビジネス会計検定|財務諸表を読む力を伸ばしたい人
ビジネス会計検定は、大阪商工会議所が主催する検定で、財務諸表を読み解き、企業の状態を分析する力を学べます。
仕訳を作る力だけでなく「決算書の数字から会社をどう見るか」を伸ばしたい人に向いています。経理から管理会計・経営企画などへ視野を広げたい場合にも学びをつなげやすいでしょう。
- 財務諸表の分析力を高めたい
- 数字を経営判断につなげて考えたい
- 管理会計・経営企画にも興味がある
6. MOS Excel|Excel操作を客観的に示したい人
経理では、会計ソフトだけでなくExcelを使って集計・照合・資料作成を行う場面が多くあります。MOS(Microsoft Office Specialist)は、ExcelなどMicrosoft Office製品の利用スキルを証明する資格です。
MOSを持っていなければ経理ができないわけではありませんが、PCスキルに不安がある未経験者が学習目標として使うのは有効です。資格取得後も、関数・ピボットテーブル・データ集計などを実務で使えるようにすることが大切です。
- Excel操作に自信がない
- 未経験転職でPCスキルも示したい
- 実務で使う操作を体系的に学びたい
出典:MOS公式サイト
7. 税理士|税務の専門性を高めたい人
税理士は、企業経理のためだけに取る資格というより、税務の専門家を目指す人向けの難関資格です。税理士試験には簿記論・財務諸表論・法人税法など、経理・会計と深く関係する科目があります。
一般的な経理転職のために最初から税理士合格を目指す必要はありません。経理実務を経験する中で、税務を専門にしたい、会計事務所・税理士法人も視野に入れたいと考えた段階で検討すると目的が明確になります。
- 税務を専門分野にしたい
- 長期的に専門職としてキャリアを作りたい
- 会計事務所・税理士法人も視野に入れている
なお、公認会計士も高度な会計専門資格ですが、監査を中心とした専門職への進路も含むため、「企業の経理で働くための資格」というより、将来のキャリアそのものを大きく広げたい人が検討する資格です。


未経験・経験者・キャリアアップ別の資格の優先順位
どの資格を取るか迷ったら、難易度ではなく「今の自分の段階」で決めると選びやすくなります。
未経験から経理を目指すなら簿記2級を優先
完全未経験なら3級から学び始めても構いませんが、転職で使うことまで考えるなら2級を一つの目標にするとよいでしょう。
資格を増やすより、簿記2級+基本的なExcel+応募準備まで進める方が、未経験転職では行動につながりやすくなります。
- 簿記3級で基礎を理解する
- 簿記2級を目標にする
- Excelの基本操作も身につける
経理経験者なら実務の弱点を補う資格を選ぶ
すでに経理として働いているなら、「資格を持っている数」より、今後担当したい業務とのつながりを考えます。決算・税務・資金などの実務力を確認したいならFASS、財務分析を深めたいならビジネス会計検定など、弱点に合わせる方が効果的です。
- 実務範囲を広げたい → FASS
- 財務分析を深めたい → ビジネス会計検定
- 大企業・高度会計を目指す → 簿記1級を検討
専門キャリアを目指すなら難関資格を検討する
税務の専門家を目指すなら税理士、監査・会計の専門職まで視野に入れるなら公認会計士など、難関資格が選択肢になります。ただし、学習期間も長くなりやすいため「年収が上がりそうだから」だけで決めず、目指す仕事から逆算しましょう。



資格より実務経験を優先した方がよい場面もある
経理は、資格試験の知識だけで仕事が完結する職種ではありません。実際の業務では、会計ソフトへの入力、証憑確認、経費精算、売掛・買掛管理、月次決算などを期限内に正確に進める力が求められます。
そのため、簿記2級を取得したあとに「1級を取るまで転職しない」と待ち続けるより、応募できる求人があるなら経理経験を積み始める方が将来の選択肢を広げやすいことがあります。
- すでに簿記2級を取得している
- 未経験応募できる経理求人が見つかっている
- 資格取得が目的化して転職活動が止まっている
ナビ先生資格は「仕事に入るための準備」や「知識を補う手段」です。取得した資格をどの業務で使いたいのかまで考えると、次の行動を決めやすくなりますよ。




経理資格を選ぶときに確認したい3つのポイント
資格取得には時間も費用もかかります。申し込む前に、次の3点を確認しましょう。
- その資格で何の仕事をできるようになりたいか
- 目指す求人・社内業務で本当に評価されるか
- 学習期間に対して得られる効果が見合っているか
特に未経験者は、難関資格の取得を待つ間に応募機会を逃さないことも大切です。求人票を確認しながら、必要な資格・経験を逆算して学習計画を作りましょう。
まとめ
資格は「今の段階」と「目指す仕事」で選ぼう
経理は資格がなくても働けますが、未経験転職やキャリアアップでは、資格が知識・学習意欲・専門性を伝える材料になります。
未経験ならまず日商簿記2級を軸に考え、経理経験を積んだらFASSやビジネス会計検定などで担当領域を広げる。さらに専門キャリアを目指す段階で簿記1級や税理士を検討する、という順番なら目的を見失いにくくなります。
「有名な資格をたくさん取る」より、「次にやりたい仕事に必要な資格を1つ選ぶ」ことが重要です。
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