経理の年収はいくら?平均512万円・年代/役職別の目安と上げ方を解説

「経理の年収はどれくらい?」「未経験から経理に転職して、将来的に収入は上がる?」と気になっている方は多いでしょう。

経理は同じ職種名でも、担当業務・経験年数・企業規模・役職によって年収差が出やすい仕事です。そのため、「平均年収はいくらか」だけを見るより、どんな経験を積むと年収が上がりやすいのかまで一緒に確認することが大切です。

厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」では、経理事務に対応する統計の全国年収は512.2万円、平均年齢は44歳とされています。ただし、この数字は経理事務だけを完全に切り出した統計ではないため、あくまで全体像をつかむための目安として見る必要があります。

この記事では、最新の公的データを軸に、年代・役職による違い、年収を左右する要因、未経験から年収を伸ばしていく考え方まで整理します。

この記事でわかること
  • 経理の平均年収の目安
  • 年代・役職で年収が変わる理由
  • 経理の年収を左右する主な要因
  • 未経験から年収を伸ばすための考え方
  • 年収アップにつながりやすい経験・行動
結論

経理の年収は「資格を持っているか」だけではなく、どこまで実務を担当できるか、どの会社で働くか、どの役割を担うかで大きく変わります。

まずは平均年収を基準にしつつ、自分の現在地を「日次業務だけか」「月次・年次決算までできるか」「管理や改善まで担えるか」で確認するのがおすすめです。

未経験者は最初の年収だけで判断せず、決算など市場価値につながる経験を積める職場かどうかを見ると、数年後の選択肢を広げやすくなります。

目次

経理の平均年収は512.2万円|まずは公的データで全体像を確認

厚生労働省の「job tag」に掲載されている最新統計では、経理事務に対応する全国の賃金(年収)は512.2万円です。平均年齢は44歳、労働時間は月159時間とされています。

一方、国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」では、1年を通じて勤務した給与所得者全体の平均給与は478万円です。

単純比較はできませんが、経理の公的統計は「極端に低い職種」という水準ではありません。ただし、平均年収だけを見て「自分も512万円もらえる」と考えないことが重要です。

job tag自身も、掲載している統計データは必ずしも経理事務だけを表すものではないと注意書きをしています。さらに、年収には年齢・経験・勤務先などの条件が混ざっています。

出典:厚生労働省 職業情報提供サイト「job tag」経理事務、国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」

求人サイトによって平均年収が違うのはなぜ?

「経理 年収」で調べると、400万円台から500万円台後半までさまざまな数字が出てきます。

たとえば、dodaの職種図鑑では「経理/財務/税務/会計」の平均年収が566.2万円とされる一方、求人ボックスでは掲載求人をもとにした「経理」の給与水準が432万円とされています。

数字が違う主な理由は、対象者・職種の範囲・集計方法が違うからです。平均年収を見るときは、数字だけでなく「誰を対象にしたデータか」も確認しましょう。

ナビ先生

平均年収は「自分の年収を決める数字」ではなく、現在地を確認するための目安として使うと分かりやすいですよ。

経理の平均年収の目安

年代別では年収が上がる傾向があるが、年齢だけでは決まらない

経理は経験を積むほど担当できる業務が広がりやすいため、年代が上がるにつれて年収も上がる傾向があります。

経理・会計分野の転職支援を行うジャスネットキャリアが2026年に公開したモデルケースでは、東京勤務・日商簿記資格あり・スタッフ職・年次決算経験など一定条件のもとで、次のような想定年収が示されています。

年代想定年収の例
20代前半445万円
20代後半456万円
30代前半466万円
30代後半584万円
40代647万円
50代以上796万円

※これは全国平均ではなく、ジャスネットキャリアの年収診断による特定条件のモデルケースです。実際の年収は地域・会社・経験・役職などで変わります。出典:ジャスネットキャリア「2026年版 経理の年収」

ここで注目したいのは、単に年齢を重ねたから上がるのではなく、年齢とともに「担当できる仕事の幅」が広がることが年収アップにつながりやすいという点です。

同じ30代でも、仕訳や請求書処理が中心の人と、年次決算・税務対応・管理会計まで経験している人では、転職市場で評価される範囲が変わります。

年代より経験の幅が年収に影響するイメージ

経理は役職と担当範囲が広がるほど年収差が出やすい

経理の年収差を考えるときは、役職だけでなく「どこまで任されているか」を見ると理解しやすくなります。

厚生労働省のjob tagでは、「経理課長」に対応する統計の全国年収は966.8万円です。ただし、こちらは会社管理職員などを含む職業分類に対応した統計で、平均年齢も51.5歳です。経理事務の512.2万円と直接比較して「課長になれば必ず約967万円」と考えることはできません。

それでも、経理課長の仕事内容を見ると、一般的な経理事務との違いは分かります。経理課長には、経理業務の統括、進捗管理、部下への指導、会計検査や税務調査への対応、役員向け資料の作成など、より広い責任が求められます。

年収差につながりやすい担当範囲
  • 日次業務:仕訳、経費精算、入出金管理など
  • 決算業務:月次・年次決算、決算資料作成など
  • 専門・改善業務:税務、管理会計、業務改善、システム導入など
  • 管理業務:チーム管理、進捗管理、他部署・監査法人等との調整など

出典:厚生労働省 職業情報提供サイト「job tag」経理課長

経理の担当範囲と市場価値の広がり

経理の年収を左右する5つの要因

経理の年収は、ひとつの条件だけで決まりません。特に次の5つが影響しやすいポイントです。

1. 実務経験の深さ

日次業務だけでなく、月次決算・年次決算まで担当できると、応募できる求人の幅が広がりやすくなります。さらに、連結決算・管理会計・税務・開示などの経験があると、専門性の高い求人を検討しやすくなります。

2. 企業規模・業界・勤務地

同じ経理でも、企業規模や業界、地域によって給与水準は異なります。平均年収だけでなく、実際に応募できる求人の給与レンジを見ることが大切です。

3. 役職・マネジメント経験

担当者からリーダー、マネージャーへ進むと、経理処理だけでなく人や業務を管理する役割が加わります。実務力に加えて、他部署との調整やチーム運営も評価対象になります。

4. 簿記・Excel・会計システムなどのスキル

厚生労働省のjob tagでも、経理事務の関連資格として日商簿記検定などが挙げられています。資格があるだけで年収が決まるわけではありませんが、会計知識の土台を示す材料にはなります。

特に転職では、資格名だけでなく「資格の知識を使って、どの業務を担当できるか」まで説明できると評価につながりやすくなります。

5. 転職するタイミングと市場評価

今の会社で昇給余地が小さくても、身につけた経験が別の会社で高く評価されることがあります。反対に、経験が浅いうちに給与だけを優先して転職すると、任せてもらえる業務が広がらない場合もあります。

「今いくらもらえるか」と「次の3年で何を経験できるか」をセットで考えることが重要です。

経理の年収を左右する主な要因

未経験から経理を目指すなら、最初の年収より「積める経験」を確認する

未経験から経理へ転職する場合、最初から平均年収以上を目指すことだけにこだわると、求人選びが難しくなることがあります。

job tagでは、経理事務への入職に特定の学歴や資格が必須とはされていません。一方で、中途採用では決算や財務に関わる業務をこなせる経験が求められる傾向があるとされています。

そのため未経験者は、最初の会社で次のような経験を積めるかを見ると、その後の年収アップにつなげやすくなります。

その会社でどんな経験が積めるか意識したいこと
  • 仕訳・経費精算・入出金管理だけで終わらず、月次業務へ広げられる
  • 先輩の補助からでも決算に関われる
  • Excelや会計ソフトを実務で使える
  • 業務改善やチェック体制づくりに関われる
  • 数年後に担当範囲を広げられる環境がある

未経験者にとっては、初年度の年収だけでなく「次の転職で評価される経験が積めるか」が重要です。

経理で年収を上げる5つの方法

経理で年収アップを目指すなら、単に勤続年数を増やすだけではなく、評価される経験を意識して増やすことが大切です。

年収アップにつながりやすい5つの行動
  • 決算まで担当範囲を広げる
  • Excel・会計システム・業務改善のスキルを高める
  • 管理会計・税務・連結決算など専門性を深める
  • リーダー・管理職を目指す
  • 経験が評価される会社へ転職する

すべてを一度に目指す必要はありません。たとえば未経験なら「日次業務→月次決算」、月次決算まで経験しているなら「年次決算→改善業務」のように、今より一段上の経験を増やしていきます。

ナビ先生

転職を急ぐ必要はありません。まず「今の会社であと何を経験できるか」を確認してから、残るか転職するかを考えると判断しやすくなります。

自分の経験が転職市場でどの程度評価されるのか分からない場合は、経理の求人に詳しい転職エージェントへ相談し、求人の年収レンジと必要経験を確認する方法もあります。

年収だけで経理を選ぶか判断しない

経理は、年収だけで向き・不向きを判断しにくい仕事です。数字を扱う正確さ、締切を守る力、他部署との調整、同じ作業を丁寧に続ける姿勢なども求められます。

また、会社によって経理の担当範囲は大きく違います。給与だけを見るのではなく、仕事内容・残業・繁忙期・担当範囲・今後のキャリアまで確認して、自分に合う働き方か考えましょう。

まとめ|経理の年収は「経験の深さ」と「役割」で伸ばせる

厚生労働省のjob tagでは、経理事務に対応する統計の全国年収は512.2万円です。ただし、平均年収は年齢・経験・企業規模・役職などが混ざった数字なので、自分の年収の正解ではありません。

経理では、日次業務から月次・年次決算へ、さらに改善・専門業務・管理業務へと担当範囲を広げることで、市場価値を高めやすくなります。

年収を上げたいなら「何年働いたか」だけでなく、「何を任せてもらえるようになったか」を増やしていくことが重要です。


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