経理はきつい?しんどいと言われる7つの理由と後悔しない職場選び

経理はきついと言われる7つの理由と、後悔しない職場選びを解説するアイキャッチ

「経理に興味はあるけれど、仕事がきついという話を見て不安」「未経験で入社しても続けられる?」「やめとけと言われるほど大変なの?」と迷っていませんか。

経理には、会社のお金を正確に扱い、毎月・毎年の締め切りを守る責任があります。未経験のうちは専門用語や会社独自のルールを覚える必要もあり、しんどいと感じる場面は確かにあります。

ただし、経理だから必ず激務になるわけではありません。厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」では、経理事務は就業時間が規則的で、基本的に残業が少ない職場が多い一方、決算期には残業が増えることがあると説明されています。きつさは職種だけでなく、人員、担当範囲、確認体制、システムなどの職場環境によっても変わります。

この記事では、経理がきついと言われる理由を整理したうえで、向き不向き、負担を減らす方法、後悔しない職場の見分け方まで解説します。

この記事でわかること
  • 経理がきつい・しんどいと言われる理由
  • 経理がいつも激務とは限らない理由
  • 経理をきつく感じやすい人・続けやすい人の違い
  • 働き始めてから負担を減らす方法
  • 求人・面接で確認したい職場選びのポイント
結論

経理には正確性や締め切りなど特有の大変さがありますが、「経理=いつもきつい」とは限りません。

同じ経理でも、複数人で確認できる職場と一人に業務が集中する職場、システム化された職場と手作業が多い職場では負担が大きく異なります。目指すかどうかは、経理という職種名だけでなく「どの会社で、どの範囲を、どの体制で担当するか」まで見て判断しましょう。

目次

経理はきつい仕事?|「いつも激務」とは限らない

経理は会社のお金と数字を扱うため、正確さと締め切りへの意識が欠かせません。厚生労働省のjob tagでも、金銭を扱う仕事として正確さ・注意力・几帳面さが求められ、決算期には速さと粘り強さも必要だと説明されています。

一方で、同じjob tagでは、経理事務の就業時間は規則的なことが多く、基本的には残業が少ないとされています。土日祝日が休みとなる職場も多く、営業職のように顧客先を回る機会も少ない仕事です。ただし、月次・年次の決算では、日常業務と並行して決算処理を行うため、残業が増える場合があります。

つまり、経理のきつさは次の2つに分けて考えることが大切です。

経理のきつさを分ける2つの視点
  • 仕事の特性:正確性、締め切り、専門知識、細かな確認
  • 職場環境:人員、担当範囲、承認体制、業務量、システム

仕事の特性はどの会社にもある程度共通します。しかし、職場環境による負担は会社ごとの差が大きく、入社前後の確認や業務改善で変えられる余地があります。

出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「経理事務」

経理のきつさを仕事の特性と職場環境に分けて考える図

経理がきつい・しんどいと言われる7つの理由

経理の負担は、単に「数字を扱うから」だけではありません。実際には、締め切り、専門知識、周囲との連携、会社の業務体制が重なって、きつさにつながります。

1. ミスを防ぐため高い正確性が求められる

経理が扱う数字は、支払い、給与、売上、決算書、税務申告などにつながります。入力や勘定科目を間違えると、後から差額の原因を調べたり、関係部署へ確認したりする手戻りが発生します。

そのため「間違えてはいけない」という緊張が続き、未経験者ほどプレッシャーを感じやすくなります。ただし、本来は一人の注意力だけに頼る仕事ではありません。ダブルチェック、承認フロー、会計ソフトの入力制御など、組織でミスを防ぐ仕組みがあるかも負担を左右します。

2. 月末・月初・決算期に仕事が集中する

経理には、請求・支払い、入金確認、月次決算、年次決算など、動かしにくい締め切りがあります。特に月末から月初、年度末の決算期は、通常業務に追加の集計・確認が重なりやすい時期です。

厚生労働省のjob tagも、決算期は日常業務と並行して決算処理を行うため、残業が増えることがあると説明しています。普段は落ち着いていても、特定の時期だけ忙しさが強くなるのが経理の特徴です。

3. 専門用語と会社独自のルールを覚える必要がある

仕訳、勘定科目、減価償却、売掛金、買掛金など、経理では日常会話で使わない用語が多く登場します。簿記を学んでいても、実務では会社独自の科目、申請方法、会計ソフト、締め日を覚えなければなりません。

job tagでは、経理業務全般を身につけて一人前になるには数年程度かかるとされています。最初から完璧にできないのは自然なことです。手順だけでなく「なぜこの処理をするのか」を理解すると、応用しやすくなります。

4. 細かな確認や反復作業が多い

請求書の金額・日付・取引先、申請内容、証憑、帳簿残高など、経理には細かな確認が欠かせません。似た作業を繰り返す日もあるため、単調さを負担に感じる人もいます。

一方、同じ作業を安定して進め、差額や例外を見つけることに達成感を持てる人には合いやすい仕事です。反復作業そのものよりも、集中が続く時間、休憩の取り方、作業の自動化が負担を変えます。

5. 他部署への確認や期限の調整が必要になる

経理は一人で数字を作る仕事ではありません。営業から売上資料を受け取る、各部署へ経費申請を依頼する、取引先へ請求内容を確認するなど、多くの人から正しい情報を期限までに集める必要があります。

書類が遅れたり内容に不備があったりしても、決算の締め切りは待ってくれません。相手に配慮しながら再提出を依頼する場面もあり、数字だけでなくコミュニケーションが負担になることがあります。

6. 制度変更やデジタル化への対応が続く

経理は、一度覚えた知識だけで長く働ける仕事ではありません。税制や社内制度、会計システムが変われば、処理方法や保存方法を確認する必要があります。

たとえば国税庁は、電子帳簿保存法に基づく電子取引データの保存義務・方法や、インボイス制度の記帳・消費税処理に関する情報を継続して公開しています。すべてを一人で判断する必要はありませんが、担当業務に関係する変更を学び、社内運用へ反映する負担は生じます。

出典:国税庁「電子帳簿等保存制度特設サイト」「インボイス制度について」

7. 少人数・属人化した職場では負担が集中しやすい

経理が一人または少人数しかおらず、マニュアルや引き継ぎが不十分な職場では、休みにくい、相談しにくい、担当者しか分からない業務が増える、といった問題が起きやすくなります。

また、紙の申請や手入力が多い、承認が遅い、担当範囲が曖昧といった環境では、同じ業務量でも負担が大きくなります。これは経理という仕事そのものより、業務設計や人員配置の問題です。

経理のきつさが正確性・締め切り・職場環境から生まれることを示す図

経理には大変さだけでなく働きやすさもある

きつい理由だけを見ると不安になりますが、経理には長く働くうえでのメリットもあります。自分が何を重視するかによって、大変さと働きやすさの感じ方は変わります。

就業時間が規則的な職場が多い

決算期などの繁忙期を除けば、毎月の業務サイクルを予測しやすい仕事です。job tagでも、就業時間は規則的で、基本的には残業が少ない職場が多いと説明されています。

もちろん会社差はありますが、繁忙期を事前に把握し、予定を立てやすい点はメリットです。

実務経験が専門性として積み上がる

伝票入力から始め、売掛・買掛管理、月次決算、年次決算へ担当範囲を広げると、経験が具体的なスキルとして残ります。会社が変わっても、会計処理や決算の基本的な考え方は活かせます。

会社全体のお金の流れが見える

経理では、売上、仕入れ、経費、資金、利益を通して会社全体を見られます。単に数字を入力するだけでなく、数字の変化や事業の動きを理解できるようになると、仕事の面白さを感じやすくなります。

キャリアの選択肢を広げやすい

経験を積むと、決算、税務、管理会計、財務、経営企画、マネジメントなどへ専門性を広げられます。簿記や実務経験を土台に、より条件の合う会社へ転職する選択肢も作れます。

経理をきつく感じやすい人・続けやすい人

向き不向きは、数字が得意かどうかだけでは決まりません。次の比較は絶対的なものではありませんが、自分が負担を感じそうな場面を考える材料になります。

きつく感じやすい傾向続けやすい傾向
確認を面倒に感じ、速さだけを優先したい小さな違いに気づき、確認を習慣にできる
締め切りから逆算するのが苦手優先順位をつけて計画できる
分からないことを抱え込む早めに質問・共有できる
反復作業に強い苦痛を感じる地道な作業を安定して続けられる
ルール変更を避けたい必要な知識を少しずつ学べる

当てはまらない項目があっても、経理を諦める必要はありません。チェックリストやカレンダーで苦手を補い、確認しやすい職場を選ぶこともできます。

また、経理が合わないと感じる原因が、仕事内容ではなく「質問できる人がいない」「業務量が多すぎる」といった環境にある場合もあります。性格だけで結論を出さず、何が負担なのかを具体的に分けましょう。

経理のきつさを減らす5つの方法

すでに経理として働いている人や、未経験で入社する人は、次の方法で負担を減らせます。個人の工夫だけでは解決できない問題もあるため、職場への相談と組み合わせて考えましょう。

1. 締め切りを年間・月間で見える化する

月次決算、支払日、請求書発行、税金の納付などをカレンダーにまとめ、締め切りから逆算して準備日を決めます。作業開始を期限当日にしないだけでも、焦りや確認漏れを減らせます。

2. チェックリストと定型文を作る

毎月繰り返す業務は、確認項目、保存場所、報告先をチェックリストにします。他部署へ依頼する文面や差し戻し理由も定型化すると、判断と入力の負担を減らせます。

ただし、自己流のマニュアルを正式な社内ルールの代わりにしないようにします。処理を変更するときは上司や担当者へ確認しましょう。

3. 手順と「なぜ」をセットで覚える

操作だけを暗記すると、例外が出たときに迷います。「何の残高を確認しているか」「この証憑をなぜ保存するか」まで理解すると、処理のつながりが見え、ミスにも気づきやすくなります。

簿記の基礎は、実務用語を理解する助けになります。ただし、資格知識だけで会社独自の運用まで分かるわけではないため、実務では社内ルールも確認します。

4. 分からないことを早めに共有する

経理のミスは、締め切り直前に見つかるほど修正が難しくなります。自分で調べる時間を決め、解決しなければ早めに相談しましょう。

質問するときは「どの取引で」「何を確認し」「どこまで分かったか」を整理すると、相手も答えやすくなります。

5. 個人では変えられない環境を見直す

慢性的に業務量が多い、引き継ぎがない、承認者が不在、長時間労働が続くなどの問題は、個人の努力だけでは解決できません。業務分担や期限、システム導入について上司へ相談し、改善が難しければ異動や転職も選択肢に入ります。

睡眠や食欲に影響が出るほどつらい場合は、我慢を前提にせず、社内外の相談窓口や医療機関など専門家へ早めに相談してください。

経理のきつさを減らす5つのステップ

後悔しないために求人・面接で確認したい6項目

経理の働きやすさは会社によって大きく異なります。求人票だけで分からない点は、面接で失礼にならない聞き方に変えて確認しましょう。

職場選びの6チェック
  • 経理担当者は何人いるか
  • 入社後の担当範囲はどこまでか
  • 月次・年次決算のスケジュールはどうなっているか
  • 会計ソフト、経費精算、請求書処理はどこまでシステム化されているか
  • ダブルチェック・承認体制があるか
  • 引き継ぎ・研修・マニュアルが用意されているか

求人票では担当範囲と繁忙期を見る

「経理全般」という表現だけでは、日常経理から決算・税務まで一人で担当するのか、チームで分担するのか分かりません。仕事内容、必須経験、配属人数、残業時間の補足を確認します。

残業時間は平均だけでなく、月末・月初や決算期にどの程度増えるかを見ることが大切です。通常月と繁忙月を分けて確認できると、実際の働き方を想像しやすくなります。

面接では仕事の進め方を具体的に聞く

「残業は少ないですか」とだけ聞くより、次のように業務理解を深める形で質問すると自然です。

  • 月次決算は何営業日ほどで締めていますか
  • 入社後、最初に担当する業務を教えてください
  • 経理部内ではどのように担当を分けていますか
  • 入力後の確認・承認はどのような流れですか
  • 現在、効率化を進めている業務はありますか

回答が具体的で、担当範囲や確認者が明確なら、入社後の働き方を判断しやすくなります。逆に、業務が一人に集中し、引き継ぎや確認体制の説明が曖昧な場合は、慎重に検討しましょう。

ナビ先生

「経理だからきついか」だけでなく、「この職場では誰と、どの仕組みで進めるか」を確認するのがポイントです。

未経験から経理を目指すなら3つ準備しよう

経理のきつさを完全になくすことはできませんが、入社前の準備で「言葉が分からない」「仕事の全体像が見えない」という負担は減らせます。

簿記の基礎を身につける

経理への入職に必須資格はありませんが、仕訳、勘定科目、貸借対照表、損益計算書の基礎を知っていると、実務の説明を理解しやすくなります。完全未経験なら簿記3級から始め、転職でのアピールまで考えるなら2級を目標にするのが基本です。

Excel・PCの基本操作に慣れる

会計ソフトだけでなく、Excelやスプレッドシートで集計・照合する職場もあります。SUM、IF、XLOOKUPまたはVLOOKUP、フィルター、並べ替えなど、基本操作を実際に使えるようにしておくと安心です。

求人を見て必要な経験を逆算する

資格取得だけを続けるのではなく、興味のある求人を見て、担当業務、必要資格、Excelレベル、経験年数を確認します。自分に足りないものが分かれば、学習と応募準備を同時に進められます。

経理のきつさに関するよくある質問

未経験の経理は最初がきついですか?

専門用語、会計ソフト、会社独自のルールを同時に覚えるため、最初は負担を感じやすいでしょう。ただし、簡単な記帳・集計から段階的に任せる職場や、質問・確認の体制がある職場なら学びやすくなります。

「未経験だから無理」と決めつけず、研修、引き継ぎ、担当範囲を確認してください。

簿記を取れば仕事は楽になりますか?

簿記を学ぶと仕訳や決算の意味を理解しやすくなりますが、資格だけで実務がすべて分かるわけではありません。会社独自のルール、申請、システムは入社後に覚える必要があります。

簿記は負担をゼロにするものではなく、実務を理解するための土台と考えましょう。

すでに経理を辞めたい場合はどう判断すればよいですか?

まず、つらさの原因を「一時的な繁忙期」「経験不足で慣れていない」「人員・業務量・人間関係など職場の構造」に分けます。原因が分かると、学習、業務分担の相談、異動、転職のどれを優先するか考えやすくなります。

長時間労働や心身の不調が続いている場合は、無理に経験を積むことを優先せず、早めに周囲や専門家へ相談してください。

まとめ|経理のきつさは「仕事内容」と「職場環境」を分けて判断しよう

経理がきついと言われる主な理由は、正確性、締め切り、専門知識、細かな確認、他部署との調整、制度変更、少人数・属人化した職場環境です。

一方で、経理は就業時間が規則的な職場も多く、経験が専門性として積み上がりやすい仕事です。きつさの一部は経理に共通しますが、負担の大きさは会社の人員・担当範囲・確認体制・システムによって変わります。

経理を目指すか迷ったら、「向いているか」だけでなく、無理なく働ける仕組みのある職場を選べるかまで考えることが大切です。

まずは経理の仕事内容を確認し、自分が負担に感じそうな点を整理しましょう。そのうえで求人票と面接から、配属人数、繁忙期、担当範囲、確認体制を確かめると、入社後のミスマッチを減らせます。

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